ファーストビュー


【目次】


 

 

2023年9月20日、新潟市主催「自分らしい働き方を考えるワークショップ」が
新潟県立大学にて開催されました。(受託・運営:株式会社 エム・エスオフィス)

働き方改革や、ワーク・ライフ・バランスが話題になる昨今。
現在働いている方だけでなく、これから社会に出ていく学生にとっても重要な課題です。

新潟市では、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働いている若手社員や企業の人事担当者と学生が交流し、キャリアや働き方、仕事とプライベートとのバランスについて考えるワークショップ「自分らしい働き方を考えるワークショップ」を企画し、新潟県立大学にて実施しました。

 

当開催レポートでは、各企業のワーク・ライフ・バランスの取組みや、先輩社員のリアルな働き方、また参加学生がワークショップで得た気づきなどを紹介していきます。

当日ワークショップへご参加いただけなかった学生の皆さんや、新潟市在住の大学生の皆さんにとって、自分らしく働くとはどんな働き方か、仕事もプライベートも充実させるにはどうしたらよいかを考えるきかっけとなるよう、当レポートを作成しました。
ぜひ最後まで読んでみてください。

 

【イベント概要】

イベント名 自分らしい働き方を考えるワークショップ
開催日 9月20日(金)13:30~15:30
会場 新潟県立大学
対象 新潟県立大学の学生(全学科・全学部)
主催 新潟市

 

ここからは、当イベントで取り上げられたワーク・ライフ・バランスの考え方や企業の取組み、
先輩社員のリアルな働き方などを、セクションごとに紹介していきます。

 

【オリエンテーション】

テーマ 「ワークもライフも充実!自分らしい働き方を実現するには?」


オリエンテーションでは、講師よりワーク・ライフ・バランスとはただ両立するのでなくワークとライフがどちらも充実することで、どちらにも良い影響(相乗効果)があること、またワーク・ライフ・バランスは子育てや介護中などの特定の人が考えるものではなく、働く人全てにとって大切な視点であることなどを説明しました。
 

オリエンテーション

 

【パネルディスカッション】

テーマ 「ワーク・ライフ・バランス実践企業による多様な働き方紹介」
登壇企業

・株式会社 博進堂
・株式会社 第四北越銀行
・新潟市

ワーク・ライフ・バランスを実践しやすい職場環境づくりをしている
企業の人事担当者より、各企業の取組みをご紹介いただきました。
企業の紹介、取組内容については以下のリンクより企業ごとに紹介しています。
ぜひお読みください!
 

 

パネルディスカッション①

各企業の取組みの紹介後、登壇された皆様へ、
ファシリテーターよりワーク・ライフ・バランスについていくつか質問しました。

パネルディスカッション②

 

■ワーク・ライフ・バランスを実現させてイキイキと働いている方はどんな人ですか?


博進堂
プライベートの時間で地域伝統の「鯛車(たいぐるま)」の普及活動を積極的に進めている人がいます。
また、仕事の閑散期を利用して、春から夏は田植えに専念、田んぼが一段落したら仕事に専念している人もいます。
みなさん、プライベートの活動を充実させて、会社ではイキイキと働いています。

 

第四北越銀行
忙しい時でも、週に1~2回はノー残業デー !
限られた時間の中で周りと協力しながら業務を行い、終業後の時間は自己啓発や家族団らん、趣味、ジムで健康増進等に充てるなど、各職員ともプライベートを充実させています。
また小さなお子さんがいるご家庭では、育児休業明けに短時間勤務を利用する人も多く、仕事と子育ての両立支援制度を上手に活用しています。

 

新潟市
育児休業後から時短勤務で復職する人がイキイキと働いている印象があります。
他の職員より時間が限られているので、業務の効率化やスケジュール管理を徹底して行っています。
家族に費やす時間に余裕を持つことで、仕事にも前向きに取り組んでいます。

 

■これから自分の将来を考えていく大学生の皆さんへ、応援のメッセージをお願いします!


博進堂
仕事は続けていかなければならないもの。
良くも悪くも長く携わるもの。
やりたくないことは続かない。
やりたいこと、環境を見極めて長く続けていただきたいです。
アルバイトなどで試しに入ってみてその企業と合うかどうかを見極めるというのもいいですよ。

 

第四北越銀行
様々な業界や企業を見て選択肢の幅を広げて欲しいです。
たくさんの企業に触れることで、みなさんの就業観が高まり、自分に合った企業がきっと見つかるはずです。
是非、悔いのない就職活動を行ってください。

 

新潟市
就活でいろいろな話を聞いて悩んだ時は、自分の気持ちや行動がどんな時にプラスになるのか、楽しいのか、自分の心に聞いてみる。
逆に気持ちが乗らない、行動に移せない時はどんな時なのかを内省すると、それが自分のこだわっていきたいポイントかもしれない。
いろんな人の話を聞いて自分なりに考えてみて、一番いい答えを見つけていってください。

 

登壇者の皆さまよりご紹介いただいたワーク・ライフ・バランス充実のための企業の取組みは、それぞれ特色がありましたが、会社で決めた取組みを実践するための共通点がありました。
プライベートの時間を確保して充実させているからこそ、仕事でも輝けること、自分の意識と周囲の協力体制が不可欠ということが見えてきました。
新入社員の頃は、ワーク・ライフ・バランスなんて関係ないんじゃないかな?自分は結婚もしていないし子供もいないから関係ない、と思い込まず、チームで協力して、社員全員でワーク・ライフ・バランスの実践を目指すことが重要なのですね。

 

【先輩トークセッション】

テーマ 「先輩たちのワーク・ライフ・バランス実践」
登壇企業 ・株式会社 はあとふるあたご
・株式会社 ウオロク
・新潟市
・L&Bヨシダ税理士法人新潟オフィス
・株式会社 インプレッシヴ
・一正蒲鉾 株式会社

登壇企業の若手社員の方々から、“リアルな働き方”をご紹介いただきました。

登壇者の方には、事前に作成いただいた「ライフチャート」を使って、これまでの人生を振り返りながら、新潟県立大学出身の先輩社員も参加し、卒業生ならではのエピソードもお話しいただきました。

 

先輩トークセッション①

登壇者の皆さまのお話や企業の取組内容については以下のリンクより企業ごとに紹介しています。
ぜひお読みください!

登壇者の皆さまより、各企業の取組みやご本人のワーク・ライフ・バランス実践方法をご紹介いただいた後、ファシリテーターよりいくつか質問しました。

 

Q.所属企業の働きやすい仕組みや、環境について教えてください。


一正蒲鉾
労働時間のうち何パーセントかを、自己研鑽やキャリアアップのための自由な時間として使えるような取組みを導入しています。
また、社内では「ライフ・ワーク・バランス」と“ライフ”を前に出した言葉を使っています。
弊社代表の、「仕事をする上で生活が第一優先」という考えのもと、生活と仕事の両立をしやすい制度を作るようにしています。
また、社内で保育所を作り、子育てがしやすいようにしています。

 

インプレッシヴ
全社でテレワークができることはもちろん、有給休暇にプラスして特別休暇をとれるようになっています。
特別休暇を使うことで、子育てをしている方が学校行事に参加したり、自分の家族を病院に連れていったりすることで有給を使い切ることの無いような取組みを行っています。
その根底には、社員には、「有給休暇をリフレッシュに使ってほしい、そのためには通院や行事などで有休を減らさないようにしたい」という経営者の想いがあります。

 

Q.仕事と生活との両立のコツ、大切にしていることを教えてください。


新潟市
私は育休を取得しました。両立のコツは、仕事でも家庭でも「報連相(報告・連絡・相談)」を大切にすることです。
仕事において情報共有は必須ですが、家庭においても、メモをしただけで終わらず、パートナーへ声をかけるなど、「これでわかるだろう」と思わず、相手に必ず情報を共有することが重要だと感じました。
もう一つは感謝の心を忘れないこと。感謝の気持ちを形にする、声に出す。
こちらも仕事でも家庭でも大切なことだと思います。

 

Q.所属企業への応募理由や決め手について教えてください。


ウオロク
新潟県内で働きたかったこと、またいろいろな会社を見る中で会社の雰囲気を大切にしたこと、先輩社員の方の話を聞いて、自分の長所を活かして働けると思ったことです。
私は“人と関わる仕事がしたい”と思っていましたが、どんな仕事も人と関わりますよね。
そんな中で弊社へ応募を決めたのは、私が福利厚生を重視していたことから、年間休日が多く休みが取りやすい、残業代も1分単位から申請できることに魅力を感じたためです。
また、県外への異動がないことも大きな理由です。
 

L&Bヨシダ税理士法人
この会社の人たちと働きたい、この会社なら長く働けると思ったからです。
私が就活で絶対に譲れなかった条件が「土日休み」「新潟で働ける」「転勤がない」でした。
自分の中にやりたい事がなかったので、この条件のもと、「一緒に働きたいと思う人がいる会社か、その会社にいたら自分がどうなるか」を考えて就活をしていました。
もともと専門的な知識はなかったのですが、その時の知識だけでなく自分の人柄を見て採用いただけたところからも、企業の社風がわかり、「この会社がいいな」と思いました。

 

一正蒲鉾
私は健康栄養学科出身で、管理栄養士の資格は持っていたのですが、在学中からあまり管理栄養士として働くことを考えておらず、食品の研究や開発に関わる仕事を探していました。
就活を進めるうちに、「やっぱり管理栄養士の資格を活かせる仕事をしてみたい」と思うようになりました。
弊社が健康に役立つ食品づくりをしていることがわかり、ここでなら自分の知識を活かしながら、自分のやりたいことができるのではないかと思い、応募しました。
また、若手の意見を大切にしている社風を知り、経験が浅くても会社の主力として働けることに魅力を感じました。

 

先輩トークセッション③

 

Q.大学生の頃の自分に今の自分がアドバイスするとしたら、何と声をかけますか。


はあとふるあたご
名前を知っている企業だけでなく、もっと業界や職種を知ってほしかったなと思います。
私が就活をしていた時は、3年生でインターンシップに行くことが当たり前だったので、あまり業界を広げて参加することができませんでした。
今は1,2年生から参加できるインターンシップもたくさんあると思うので、自分の興味のある業界や職種だけでなく、知らない業界にも飛び込んでみることが大切かなと思います。

 

Q.入社後に大変だったことは何ですか?また、それをどのように乗り越えていきましたか?


インプレッシヴ
弊社では専門的な知識が必要になりますが、社会では、学校で習ったこと以外の知識が沢山必要ですし、最初は分からないことばかりでした。
自分の性格上、分からないことをそのままにしておくと後から何もできなくなってしまうので、分からないことがある時はとにかく人に聞くようにしていました。
私の質問に毎回答えてくれた当時の先輩にはとても感謝しています。
また、「自分をスポンジだと思いなさい」という言葉を聞いたことがあって、自分は何でも吸収できるスポンジだと思い込むようにして、教えてもらった知識を忘れずに詰め込むようにしました。

 

企業がどんなにワーク・ライフ・バランス充実のための取組みを行っていても、それを実践するのは働く社員一人ひとりです。
自分らしく働くために、キャリアアップを目指す方、専門知識を常にアップデートしている方、仕事とプライベートを分けてメリハリをつけるようにしている方など、先輩たちのお話には、自分の力でワーク・ライフ・バランスを実践していくヒントがたくさんありました。
 

【ワークショップ】

テーマ 「ワーク・ライフ・バランスから自分らしい働き方を考える」

イベントの最後には、参加学生と若手社員の方々がグループに分かれ、自分らしい働き方について考えるワークショップを行いました。


まずは、個人ワークで、自身が大切にしたい価値観をワークとライフ(プライベート)の視点から付箋に書き出し、その後グループで付箋に書いたことを共有しました。
その後は、先輩社員へ質問しながら、自分らしいワーク・ライフ・バランスを実現するために必要な視点をグループで話し合いました。
 

ワークショップ①

付箋には、「趣味」「お金」「自分の時間」「睡眠」「家族」「人間関係」「副業」「風通しの良い職場環境」「心がときめく選択をする」など、ワークとライフの視点から様々な価値観が共有されました。


「土日休みが良い!」という学生の意見に対しては、先輩社員から「平日休みは、旅行先や病院なども空いていて魅力的だよ」などの意見がありました。
他にも、副業に対する意見や、やりたいことを仕事にするって実際どうなの?など、参加学生の気になる疑問に、先輩社員が応える場面も複数ありました。
 

 

ワークショップ①

その後、各グループで出た意見を他のグループへ共有しました。

 

【発表内容】


  • ・働く上で「好きなことを仕事にしたい」という意見があり、先輩社員から実体験を教えてもらった。
     
  • ・先輩社員から「環境重視で入社したけど、やりがいを見つけられた」と聞き、自分も働く環境ややりがいについてもっと考えようと思った。
     
  • ・働く上で、人間関係が一番気になるという意見が多く出た。
     先輩社員から、「インターンシップに行って会社の雰囲気を感じると良い」「人事担当者と話す機会があれば、その方の雰囲気から会社の雰囲気を感じてみると良い」とアドバイスをもらった。
     また、異動が多い環境で働く先輩からは、異動のたびに新しい人間関係をどのように築いていくかの心がけをお話しただいた。

     
  • ・大切にしたいものや価値観について、特に「家族」に関する回答が多かった。
     今の家族との時間もそうだが、これから自分が築いていく未来の家族との時間も大切にしたいという意見もあった

     
  • ・先輩社員から、「心がときめく選択をする」ことを教えてもらった。
     社会の中では、「○○しなければならない」ということが多いが、自分の心がどう感じるかも大切ということがわかった。

     
  • ・趣味の時間を大切にしたいけれど、働いたらそんな時間はとれないかと思っていた。
     先輩社員から、ライフもワークも充実させるのは自分次第ということを教えてもらい、仕事がつまらないと思うか成長の機会と思えるかどうかで、ワーク・ライフ・バランスへの姿勢が変わってくると感じた。

 

グループごとに出た意見が異なり、参加学生の皆さんは、人によって大切にしたい価値観が異なることや、自分には無かった視点を見つけられたようです。
 

ワークショップ①

ワークショップのまとめとして、参加学生一人ひとりが、就職して1年目・5年目の自分の姿を考えました。仕事と勉強、家庭、趣味・遊びの時間配分を考えたり、どんな姿になっていたいかを考えたりと、各自がキャリアデザインを体験しました。

 


参加学生の皆さんより、イベント全体への感想をいただきました。

【参加者の声】

  • 企業がどのように働きやすい環境を作っているかを知ることができた
     
  • 福利厚生など企業の知らないところや、どのような仕事なのかなど具体的なことがわかってよかった
     
  • ライフステージによって働き方を変えることも必要ということを学べた
     
  • ・実際に働いている方から、ワーク・ライフ・バランスについて聞くことができ、アドバイスもいただくことができた
     
  • ・先輩方の声を聞くことができて、企業選びの参考になった

 

参加学生の皆さんは、当イベントを通し、多様な働き方や価値観・考え方などを知ることで、自分らしいワーク・ライフ・バランスとは何か、働きながらどんな自分になっていたいかなどを考えられたようです。

 

【まとめ】

当レポートを読んでいる皆さんは、ワーク・ライフ・バランスと聞いて、何を思い描くでしょうか?
自分が将来大切にしたい価値観やモノ・ヒト、仕事で達成したい目標、キャリアップなど、これらを達成するために必要なものの一つがワーク・ライフ・バランスです。


当イベントでは、参加学生の皆さんへ、各企業のワーク・ライフ・バランスの取組みや先輩社員の働き方を知ることで、自分らしい働き方とは何か、そのために必要なワーク・ライフ・バランスとはどのようなものかを考えていただくことを目的に実施しました。


当レポートを読んでいる大学生の皆さんも、ぜひ自分が大切にしたい価値観は何か、それを達成するための“自分らしい働き方”はどのようなものか、という視点から未来の働く自分をイメージしてみてください。
また、今後の就職活動においても、ぜひワーク・ライフ・バランスの視点を持って企業の取組みや社員の方々の働き方を調べてみてください。
 


お問い合わせ